どんなキャリアパスがある?
システムエンジニアやプログラマによって作られたシステムが無事製品となるためには、テストエンジニアによる厳しいチェックをクリアしなければなりません。テストエンジニアの役割は普段あまり目立ちませんが、システム開発の成功には欠かせない重要なポジションのひとつです。フリーランスのテストエンジニアが置かれている地位は決して高くないのが現状ですが、テストエンジニアのキャリアパスについて考えればその理由にも納得できます。
テストエンジニアに対するマイナスイメージ
WordとExcelの基本ができて丁寧な作業ができる人なら、初心者や未経験者でもテストエンジニアの仕事はできるという実態があります。そのためか、「テストエンジニアは高いスキルを必要としない職種」というイメージを持っている人が少なくありません。確かに、「上流工程はシステムエンジニアが担当し下流工程はプログラマが担当、テストはテストエンジニアに任せてバグが出たら修正すればいい」という大まかな開発の流れは存在しています。システムエンジニアやプログラマの領域に入ることが許されないテストエンジニアならば、エンジニアの中で最も低い立場に見られてしまうかもしれません。
テストエンジニアがコードを書けるほどのスキルを持っていれば喜ばれますが、そこまでのスキルがなくても仕事は成立してしまうのも事実です。テストエンジニアに求められているのはバグを発見することであって、バグを修正することではないのです。
テストエンジニアはあくまでもエンジニアの入り口
「経験が浅く知識も少ない若手エンジニア」と「なんでもこなせるベテランエンジニア」では、ベテランエンジニアの立場が上になってしまう傾向があるのはある程度仕方のないことです。知識も経験もない若手エンジニアがいきなり現場に入ったとしてもできることは限られています。そうであれば、「まずはテストからはじめてコードに慣れていこう」という流れになるのは当然のことです。テストエンジニアに若手が多くてベテランのテストエンジニアがほとんどいない理由は、テストエンジニアのキャリアパスを見ればよくわかります。
テストエンジニアのキャリアパス
テストエンジニアのキャリアパスとして多いのが、「プログラマ」や「システムエンジニア」です。上流工程の経験があれば、「プロジェクトマネージャー」や「コンサルタント」の道も見えてきます。テスト業務を通じてさまざまなプログラムやバグの型に触れることで、プログラミングの基礎や注意すべき点が自然と身につきます。プログラミングのスキルが身につくにつれ、テスト業務から徐々に仕事の幅を広げていくことができるようになるでしょう。